デート(?!)〈後編〉
指示した場所に着き、ソウが辺りを見回すもアキラの姿はない。
「なんで電話がつながらないんだ?」
来た道をゆっくりと車で戻りながらアキラを探した。
見当たらない。
もう一度戻ってみたものの、気配すらない。
もう来ていてもいいはずだ。
やはり「電源がきれています。」のアナウンスだ。
なにかあったのか?
焦り始めるソウ。
ソジュンヒョンに電話してみた。
「ヒョン、ちょっと困ったことになって。
アキラとはぐれちゃって……」
ちょうどジウンのバーのカウンターにいたソジュン。
「アキラと一緒にいたのか。はぐれたってどうゆう事だ?」
アキラの名前に反応してジウンがスマホを取りあげた。
「ソウ!アキラがどうしたって?!」
「あっ、ジウンヒョンもいたんだ。」
「ああ、ヒョンは今俺の店にいるからな。」
言葉で説明するのも面倒くさいので能力で状況を添付した。
「で?土産も買わずに出てきたと?」
「(そこ、気にする?)う、うん。」
「で、アキラとはぐれたと?」
「…そうなる、の、かな……」
「で、お前、アキラとしたか?したよな。したんだな。」
「な、なにをだよ/// してないよ!」
「ジウナ、どうもお前が言うと違う意味に取られるみたいだな。
変な方に話が飛んでるから、俺に変われ。」
「ソウヤ、お前の中にアキラのマーキングの跡がうっすらある。今、俺たちの中ではそれでも一番濃いだろう。呼んであげて。アキラもお前を探していれば来れるから。」
(なんだよ、ジウンヒョン。いやらしい言い方して。感じ取れてるんだったら、そう言えばいいじゃないかよ……)
「あん?なんだって?」ソジュンが耳に当てているスマホにむかってジウンが言った
「いや、あーと、どうやるんだ?」
「そうだな、お前ならアキラの声を思い出して。あと、状況を考えて。適当にシーンを描いてしまうと飛んできた後、怪我してしまうから。」
「んー。そうだな~。」
アキラが助手席にいるイメージで……
そうだ、あの時の「保険」って言ってたシーン。
まてよ、もしかして迷子になるんじゃないか、心配だったのか?
「アキラや~、オッパここだよ……」
シュン……
「うわっ、オッパ~TT」
「はぁ、よかった、よかった~」
その様子を聞いていたソジュンとジウン。
「⦅。。。やっぱり、甘い物をたらふく食べた後だと体力が違うんだな。⦆」
「(あっ、ナンギルオッパ、置いてきちゃった。ごめん、また会えるよね)」
「ん?だれかに会ったのか?」
「うん、やさしいオッパいます。」
自販機でジュースを買ったナンギルが戻ってみるとアキラの姿がなかった。
アイツ、またどこ行ったんだ?
ま、はなっから関わる気はなかった事だし、いいか…
ベンチに座り、普段飲むこともない、ジュースを飲んだ。
あっまぁー。おっ、でも、いける味だ。
後日、ソウはチーフマネージャーに呼び出された。
熱愛報道が出て、事務所で押さえているそうだ。
あの時の写真がスッパ抜かれた。
『パク・ソウ熱愛発覚 車中で堂々キス あま~いデート現場』
記事は押さえたものの、SNSでは話題になってしまっている。
マジかよ……
「親戚の子だよ。甥っ子、じゃない姪っ子にあたる子でアメリカナイズされてるからちょっとした挨拶だよ。キスじゃない。ポッポレベルだよ。」
結局スキャンダル騒動が落ち着くまで外出禁止となった。
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