Brothers 제 12 회 第十二話

ナンギルとアキラの出会い

急に降り出した雨。
午後の講義が休講となり、アキラは迎えの車が来るまで、かなりの時間をもてあましてしまった。

冒険心も出て、歩いてみようと思った。ジウンの店までバスに乗れば行ける。
「この時間ならジウンヒョンお店にいるな。サプライズだ♪」

コンビニでドキドキしながら傘と交通カードを買った。

前の人を見ながら、見よう見まねでバスに乗り、なんとか目的地のバス停で降りることができた。

「えっと、あの角を曲がるんだよな。」
地図アプリを見ながら歩いていたせいもあって、ちょっとした段差につまずき転んでしまった。(歩きスマホはやめましょうね。)
転んだ拍子に傘は無残な姿に。
路上に放り出されたスマホは丁度通ったバイクに見事に踏まれて破損してしまった。

痛みと恥ずかしさでうずくまっているアキラに何人か声をかけてくれた、が。
「イェ、ケンチャナヨ、(大丈夫です。)」

カン・ナンギルが行きつけているカフェでのんびりと雨を見ていた。
視界には派手に転んだアキラが入っていた。

その様子を見るともなしに見ていたナンギル。

 おいおい、大丈夫じゃなさそうだぞ。
 素直に助けてもらえばいいものを……
 少年だよな。ボーイッシュな女の子?……ではないよな。
 何やってんだ、あのガキんちょは。

普段は人の事など構うことはないが、なぜか珍しく気になってしまった。
気が付けば店を出て、雨の中、自分も傘は持っていなかったが声をかけた。
「おい、ハクセン(学生)、本当に大丈夫なのか?」

痛みが引いてきたアキラはなんとか顔を上げた。
アキラはすでに涙目になっている。

ほおっては置けないワンころを拾った気分だ。

たどたどしい、片言の韓国語を一生懸命話し、近くに兄さんがやってる店がある事を伝えてきた。

そこまで一緒に行ってやるから、頼むから、その目に溜まった物をこぼさないでくれよ。
「コマウォヨ、アジュシ(おじさん)!」
ア、アジュシ? そんな年じゃないんだが、訂正してもらえないかな。
安心したような嬉しそうな笑顔を見せるこのガキんちょに、思わずオレの口角が上がった。

立ち上がろうとしたから、手を貸してやった。
「うわっ。」
立ち上がった瞬間バランスを崩し、今度は思いっきり、しりもちをついた。
ひとりで何やってんだか。なんだ?足首でもくじいたのか?
腫れてはいないかと、足首に触れてみた。。
えっ?足が……義足なのか?!

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お互い傘もなく雨の中を歩いている。
行きかう人が見る目には、腕を組んで歩いている仲のいい兄弟(兄妹?)に写っているのだろうか。
微笑ましそうに見る大人達もいる。
一生懸命話すガキんちょの名前はアキラというそうだ。
オレも英語なら分かるから、と伝えたが、
「ダメです。私は韓国語を話します。しましょう。がんばりましょう。」
‵がんばりましょう′じゃなくて‵がんばります′だろ。
頑固なヤツだな。

だが、なんだろう……楽しい。
例えようがないが一緒にいるだけで心地好い。
なんでこんなに暖かいんだ。

すぐ近くだと思ったが、案外迷ったな。
あの店じゃないか?
「あそこだ。よかった。コマウォヨ、ナンギルアジュシ。」
アジュシ?だから、訂正してもらえないかな?

店から傘をもう一つ抱えた男性が飛び出してきた。
「アキラ!」
「ヒョーン! 僕来た!」

この人がヒョンなんだ。オレの方が若いじゃないか。

「君もずぶ濡れじゃないか。とにかく中に。」
「いえ、結構です。俺はこれで……」
「じゃあ、せめて傘持って行って。返さなくていいから。」
「大丈夫です。今更傘さしても変わらないですから。
それより、弟さん、風邪ひきそうです。それじゃ、失礼します。」
「そうか……とにかく、世話になったね。ありがとう。」

「ありがとございます。また、会う、したいです。お幸せに~」

ハハ、ああ、また会えるといいな。

 

どうしてだろう、急に雨が冷たく感じる。


この回のお話に続く「ちょっとBL」を掘り下げたライトピンク系のお話があります。
入口は こちら 🔞
ドきつい描写は避けたつもりですが、エロス系が苦手な方は入室をお控え下さい。。


 お読みいただきありがとうございました 


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