Brothers 제 9 회 第九話

証拠の存在

パーティの時、ドアの前で3人が掴んだこと・・・

夫人の主人(社長)はアキラの父親が立ち上げた会社の吸収の件で日本に出張中。
夫人は会長が留守の間に事を進めたいようだ。

実際話している所を目の当たりにしたわけではないが、夫人がしゃべっている。
「会長不在の今、ご苦労が絶えませんでしょ。今日は皆さんに日頃の労をねぎらわせていただきたくて。楽しくお食事でも……」
「皆様のご負担を少しでも減らして差し上げたくて……
私の知り合いの会社が得意な分野ですので、そちらは任せて、皆さんは企業のお仕事に専念されてはどうかと。」
支援事業の外部委託を容認させたい魂胆だ。
「今よりも効率よく資金を回せるはずです。お集まりの皆さんのお名前をお貸しいただければ、それなりの見返りはさせていただきますわ。」
仕事を助けたい、という言葉の向こうに私欲が見える。

ジウンがドアの前に落としていったタイピンに仕込まれたマイクが拾った音。
ソウが聞き取った音はかなり重要だった。

携帯の着信音がした。「ちょっと、失礼」と言って女性が出てきた。
夫人だ。部屋の外へ出た。

ソウが急いで録音を開始する。
やはりそのままの方が聴きとりやすいのは確かだか、後で読み直す事もある為、録音をする。

電話の相手ではない者に確認している。
「怪しい者達って、どうなったの?まだ、いるの?」
「いえ、奥様。ホテルからは出ました。」
「何か目的があったのか最後まで確認して。なにか探りに来たんじゃないでしょうね。今が一番大事な時なんだから。少しぐらい手荒な真似した方が変な気を起こさないんじゃない?ちょっと、脅してやりなさいよ。」
「承知しました。」

「ヨボセヨ(もしもし」

通話を始めた。

かなり声を押さえて話している夫人の声、携帯からの相手の声、普通の聴力では聞こえないものばかりだ。
ソウがいつもよりもかなり集中する。
そんな時、ジウンからの連絡が入った。
ソウが無言で顔をしかめる。
それを読み取って、いったんソジュンはジウンからの電話を切ったのだった。

通話内容

《奥様、残金の入金が未だのようで。》
「完璧だって言ったのに犯人が写っちゃってるじゃないの」
《CCTVには映ってしまいましたが、それは、ただ映っているというだけの事でして……警察にでも行ってご確認くださればご理解いただけると思いますが、誰もその存在には気が付いていないはずです。
…こちらの業界では常識なんですが、われわれも保険を掛けさせていただいておりまして。奥様との通話は録音させていただいております。》
「なんですって!?」
《ご入金が確認されましたら、きれいさっぱり跡形もなく消去させていただきます。
この証拠が世に出れば、こちらとしても都合が悪いことは確かですが、まあ、奥様と私共、どちらの方が被害が大きいか、お考えいただいて……
できれば、お互い気分よくこの件は終わらせて、また、ごひいきにしていただきたい、と。
奥様の為にも、お早めにご入金ください。》
「分かったわよ!」

夫人の魂胆がはっきりした。
刺傷事件の証拠となる通話の録音記録もある事が分かった。
さて、どうやったら手に入る……

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殺風景な事務所のソファーに帽子を顔に載せて寝ている男がいる。
何人かの柄の悪い男達が口の汚れも気にせず出前のジャジャ麺を食べていた。
「よお、カン・ナンギル(난길)。食わないのか?」
「ああ、いらねえよ。」
 
めったに掛かってこない電話が鳴る。
「はい、タダ商会でございます。」
顔を見なければ分からない。丁寧な受け答えがウリのヤツが電話対応担当だ。
「はい、奥様。『黒いカラスの駆除』でございますね。今担当の者と代わりますので、少々お待ちください。」

 (『黒いカラスの駆除』……ヤバい仕事の依頼だ。)

「おい、保険だ。保険。アホ、録音するんだよ。」
後ろから兄貴分のヤツに頭を小突かれて慌てて、スイッチを押した。
コホン
「あー、はい、お電話代わりました。『黒いカラス駆除』担当の者です。」
同じ男だ。声色さえ変えられる。さすが口先だけで生きてきただけの事はある。

「奥様、命までとなるとかなり額が上がりますよ。動けないぐらいでよろしかったら、そちらで手を打ったほうがよろしいのでは?
確実に仕留めるのではなく、そちらの方向でいかがでしょうか。結果的に、成り行きで命を落とすことになったとしても追加料金は発生しませんのでお得かと。」

 (とかいいつつ同じ値段ふんだくるんだろ。)帽子から見えている口元を半分だけ上げ、鼻で笑った。

「ええ、こちらの方からは決して足が付かないのでご安心ください。
事件としても迷宮入りでしょう。
それはもう…はい、奥様の方で怪しまれなければ完璧です。
先ずは手付金をご入金いただければ・・・では、こちらもすぐに駆除にとりかかれますように手配しておきますので、はい、では……」

「ナンギラ~(난길아~)、お仕事だぞ~」

いい天気の日だった。どこぞの金持ちのガーデンパーティーが仕事現場だった。


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