Brothers 제 1 회 第一話 The first episode

お見舞い アキラ交通事故回想

通院を兼ねてお見舞いに向かう車の中、まだ、事故の傷が癒えていない少年っぽさの残る青年が鎮痛剤の影響もあってか、うつらうつらしていた。
痛みから解放されていく中で心地よい眠気が誘っている。
公園に差し掛かった時、自転車の乗り方を子供に教えている親子が目に入った。

ボクもあんな時があったっけな。
そういえばパパが言ってたっけ。
「始めから出来る人にとっては、なんで出来ないのかがわからないんだよ。
出来ない人が出来るようになった方が素晴らしいと思うんだ。
だって、どうしたら出来るようになるか教えることができるだろ。パパも最初は乗れなかったんだ。
コツを教えてあげるから、練習してだんだん上手になっていってごらん。」

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パパ、今日はハラボジ(おじいさん)のお見舞いに行くよ。
パパとママが亡くなって、ハラボジもこんな目に合うなんて。
ボクが不幸の種なのかな?
そんなことないよね。天国から見守ってね。
パパに会いたいよ。ママに会いたいよ。

ボクが両親を失った事故。あっという間の出来事だった。

ボクはママのショッピングのついでにパパと新しいパソコンを買いに行った。
ちょっと値段は張るがハイスペック搭載の希望通りの品をゲットし、ハンドルを握るパパとウキウキしながら今度開発してみようと思っている、新しいアプリのアイデアを話していた。

「え?」パパが前方を見据えて言った。

一台のトラックが対向車線をはみ出して猛スピードで向かって来るのがみえた。

「パパ!」
「きゃー!!」

後部座席にいるママの悲鳴のすぐ後、すさまじい衝突音と衝撃がボクを襲った。

どの位経っただろう。それ程時間はたっていない気がする。
頭から血がポタポタと流れ落ちる感覚がある。
片足がダッシュボードに挟まっているのが見える。動かない。感覚がない。
「パ、パ……。ママ……。」
横を見ると、白いはずのエアーバックがどす黒いほどの赤に染まっていた。
ガソリンの臭いがする。

「パパ。」必死に声を出した。
うっすらとパパの目が開いた。

「アキラ、外に出て……(このままでは危ない。)」
「(無理だよ、足が、)足が……」

そのままパパの目はグチャグチャに割れたフロントガラス越しに外を見た。

「アキラ……」 ボクの名前を呼ぶパパの声を聞いた直後、ボクの体は車から抜け出し、パパが最後に見たであろう風景の中にいた。

薄れていく意識の中、爆発音が聞こえた。


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