Brothers 제17회 第十七話 もう一つの力

皆、アキラの姿を見ている。しかし、誰も言い出せずにいた。モヤモヤした日々が続き、兄弟達は「家呑みでもするか。」という事になり、集まった。

何を言うわけでもなく、ただ、酒を呑んでいる。
時折、サイドテーブルに飾ってあるアキラとの懐かしい写真を横目で見ながら。
「……なぁ、あのさ……」ソウが口を開いた。

「あら、みんな集まってるの?家で吞むなんて珍しいわね。フフフ」
オモニが楽しそうにティーセットを片付けにダイニングに来た。

「オモニ、こんな夜に誰とケーキを食べてたの?すごく楽しそうな顔をしているけど、友達でも泊まりにきてる?」
「え?友達なんか来ていないわよ。」

どう見ても2人分のティーセットとケーキ皿がトレイに載っている。

「じゃあ、誰と?」
「私達のかわいい末っ子とよ~♪」
「ソウはここにいたよ。」
「あら、やだ。何言ってるの?アキラちゃんに決まってるじゃない。フフ」
「「「えっ??」」」
「いやねぇ、ちゃんとお部屋にいるわよ。行ってみたら?じゃ、オンマは明日朝早くにお弁当を作らなくちゃいけないから、もう、寝るわよ。明日はアキラちゃんとピクニックに行く約束だから~♪」

普通なら、とうとうオモニも気がふれたのかと思うようなシーンだが、誰もオモニを心配することはなく、皆急いでアキラの部屋に向かった。
亡くなってからもそのままにしてあるアキラの部屋。
アキラの事を悲しんでオモニがそのままにしてあるのだと思っていた。
思い出すことが辛くて、入れなかったアキラの部屋。

勢いよくドアを開けるものの、誰もいない。
「どこにいるんだ?!いるなら返事をしてくれ!……アキラ!!」
ジウンが泣きながら叫んだ。

「ヒョン! 僕はここ。僕をみて。やっと呼んでくれた~」

 

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ここに残る事になったいきさつを話してくれた。

『僕、あまりにも突然の死で、リストにない「名簿漏れ」なんだって。空間移動して刃物の前に飛び込むなんて、反則だって。もうね、仕方がないから、いつか誰かに連れてきてもらうか一緒に来るようにって。
人は亡くなるとき、この世の災いを一緒に持って来れるからって。
もう僕「名簿漏れ」どころか「災い」扱いなんだよ。
あんまりだよ。』

能力を通して直接語り掛けてくるので流ちょうな韓国語として俺たちには聞こえる。

アキラが「名簿漏れ」に?……どこかのドラマみたいだな(笑)
   寂しくて華麗な鬼 tvN 金,土 (2016.12.02~韓国放送終了)より

「なあ、アキラ。トッケビと知り合いになった?」
「ああ、あのカッコいいおじさんね。でも妻帯者だし……」
ソウとアキラの会話をきいてムスっとしているジウン。
 (「カッコいい」だ?妻帯者じゃなかったらどうなんだよ。)
「俺、友達にウンタクって子いる……」
ソジュンが思い出した。
「アキラ、死神見えるの?」
「やめてくれ。そっち系は苦手なんだ。」
「ひどいな、ジウンヒョン。そっち系目の前にして嫌わないでよ。」

 

「なあ、アキラ。どうしてあの時、飛んだんだ?」
ジウンが悲しい顔で聞いた。
『悲しまないで。助けたいと思った、助けなきゃいけないと思った。みんなを。……僕の意思だよ。』

「あの組織や社長夫人の件もおまえの仕業か?」
『あー、あの人達ね。閉ざしていた感情を開けてあげただけだよ。気付いてなかったんだ、自分自身で閉ざしてしまったのを。そのうちに忘れちゃってたみたい。人を思いやる心みたいなもの。開けてあげたら今までの事で悩んじゃって……罪を償いたくなったみたいだよ。夫人は罪の意識がかなり強く出ちゃって、悪いことしちゃったかな。でも今は心が穏やかになりつつあるよ。少女みたいな心に。   
だけど、この仕事、僕一人の力じゃ限界があって、うまくできなくて……オンマの力を借りたんだ。会社を助けたい。みんなを助けたいって思う気持ちが強いから、かなり強力な助っ人になってくれたよ。オンマの力、気付いてなかった?』

『こんな身になって分かったんだけど、オンマの向こうに僕の実のハルモニの思念もあるんだ。2人の力ってとこかな。愛情って凄いね。』

事件が落ち着き、ほどなくしてアボジが目覚めた。
この時はまだ、アキラの死を知らなかった。
「あの子に呼ばれてね。もう、起きなきゃダメだって。ハラボジは寝坊助だって怒られたよ。ハハハ……アキラを呼んでくれないか。ちゃんと顔を見たい。」

アボジもアキラの死を知って、悲しんだ。

しかし、実態はないものの、笑いかけ、話しかけてくれる孫が、かわいくて仕方かないのは生前同様、変わらない様だ。
退院後はオモニと一緒にアキラの気に入りそうなものを買ってきては、アキラに苦笑いされている。
アボジは男の子が気に入りそうなものを、オモニは女の子が気に入りそうなものだ。
はたから見れば、変な老夫婦だろうな。

アボジが復帰してすぐ、後任者が正式に発表された。
パク・ソジュンが企業グループの代表となった。
元の経営理論にもどり、以前同様、いや、企業の好調な実績もあってそれ以上に社会に貢献している。


 お読みいただきありがとうございました!……えっと、まだお話続きます。次回話upまで少々お時間頂くことになるかも、ですが、よろしくお願いします。(^^)ノシ


寂しくて華麗な鬼・・・도깨비(トッケビ)鬼


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